poem9
詩提供「想い


はやく私に逢いにきて・・・

貴方に逢えぬ過ぎ行く日々を

タワーの側に佇みながら

今年はきっと・・と待ってます

儚く夜空に舞い散るいのち

今日か、明日かは風の気ままに

つんと立つ

自分の想い貫くように

密やかに竹林で息潜め

空だけ見詰め

伸びてゆく

風にしなり

雨をかわし

自然の摂理を見方につけて

真直ぐに真直ぐに・・・

貴方のいる街イタリアに来た

この街の夜を1人で見てるのかしら

そう思いながらライトに照らされた

街角を曲がる

行き交う人は幸せそうな笑みを浮かべ

私の寂しさは増すばかり

そうね・・・・

作られた街にきてみても

想う貴方はいない筈


巨大なステーション

都会のざわめきが

ジャングルジムを駆け上る

照らし出される夜の顔

押しつぶされ

流されないようにと

肩を張る


みたけの森のささゆりは

そこ ここ あそこと先遊ぶ

清らにほころぶ口元が

今年も見てねと呼びかける


みたけの森のささゆりは

うつむき うなづき はにかんで

すねた素振りで気を引いて

ずっと待ったと笑って見せた

苔むした岩肌をさわり

ぬめぬめとしたながれを抜け

さらさらと小石をけって

たおやかで優しい流れにそいながら

流れの中に心をのせて

光りをみつける旅にでる

辿り辿って行きつく先は

きらきら輝く水の糸

明日に生きる息吹きを放ち

何千何万の光の粒と相成って

ビルを覆い

橋を照らし

空を飾る

宵闇につつまれ光が踊る

一日の終わりのとき・・・


朝の目覚め

木々の隙間を抜けながら山を照らす

やわらな光りは木の葉をさわり

木立に射して

朝の時間を告げ歩く

居座る夏を追いやって

砂浜に腰を据え

秋を誘いにやって来た

知らん顔して何度でも

寄せては返し

遊ぶ夏・・・

「また、来年な・・・」

見かねた風車は寂しげに

両手を上げて見送った

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